院長ブログ

謎多き腰部痛 仙腸関節痛について リハビリ勉強会⑦

2022.03.11

こんにちは、院長の筒井です。

3月に入り少しずつ暖かい日も増えてきていて過ごしやすくなってきました。私は花粉症ではないので大丈夫ですが、花粉症のあるスタッフはきついようで目や鼻にきています。そんな姿をみているといつ自分も花粉症になるかもしれないと思い心配です。スタッフは漢方で対応しており、個人差はありますが小青竜湯が効くみたいですね。少しでも生活が楽になればと思います。

さて、この度は謎多き腰部痛の原因の一つである仙腸関節痛に対してリハビリ勉強会を行いました。

仙腸関節とは骨盤の関節で、仙骨と腸骨の間の関節になります。以前腰痛は8割程度が非特異性(原因がわからない)と言われていましたが、最近は研究なども進み腰痛に対して原因が解明されてきています。その中の原因の一つが仙腸関節痛です。

仙腸関節痛にも原因は多様ですが、多くは骨折や変形などの構造破綻ではなく、機能障害が原因と言われています。『仙腸関節に微小なずれが生じて機能障害が起こると、その周囲の組織、殊に後方の靭帯が過緊張になる。結果、靭帯やその周辺組織に分布する知覚神経終末や侵害受容器が刺激されて、疼痛が発生する』と考えられています。(「診断のつかない腰痛 仙腸関節の痛み」 より引用)

症状の多くは、腰部から殿部痛ですが、時にはふくらはぎや踵部なども仙腸関節障害が原因であることもあり、多彩な部位に症状が出現します。

その他特徴的な症状誘発動作としては

①仰臥位に寝ると痛い

②椅子に腰かける座位で痛い

③患側を下にした側臥位で痛い

などの症状があると仙腸関節痛を疑います。

診断はワンフィンガーテストといって痛い部分を人差し指で指さしてもらったときに上後腸骨棘という部分に指が向かうこと(下記の写真)、仙腸関節部にブロック注射したときに疼痛が軽快することなどで診断します。

レントゲンやMRIなどの画像検査では異常を示さないことから、見逃されることも多く、なかなか改善しないこともあります。もし同様の症状がある場合は近隣の整形外科でご相談してみてはいかがでしょうか?少しでも症状を改善させることが出来るかもしれません。