院長ブログ

四十肩、五十肩とは?

2021.10.18

こんにちは、院長の筒井です。

今回は前回の続きで四十肩、五十肩と呼ばれる疾患について少しまとめてみました。

正式病名は『肩関節周囲炎』と言います。なぜ四十肩や五十肩という名称で呼ばれるのかというと、その名の通り、40-50歳頃に肩が痛くなり発症することが多いためです。もちろん30歳でも60歳でも発症する可能性はあります。

(原因)

外傷や石灰沈着性腱板炎など何らかの原因で肩関節内の関節包に炎症が起こることで発症します。

原因と病態

(症状)

夜間痛(痛くて眠れない)や肩が上がらないという可動域制限などの症状が特徴的です。

肩関節周囲炎の症状には3つのフェーズがあります。①炎症期:痛みがとても強い時期②拘縮期:肩が硬くなり動かしにくい時期③回復期:症状が回復してくる時期です。

(治療)

四十肩・五十肩は放っておいてもいつか治ると思われている方も多いのではないでしょうか。確かに上にも記載したように①、②、③の症状の時期があり、③の回復期が存在していることから、自然と治るケースもあります。しかし、中には待てど暮らせど治らないケースも多く、治ったとしても1年以上かかることもあります。1年以上も肩の痛み、肩の動きの悪さを抱えて生活することはとても大変なことです。

早期に治療を介入するほど当然治癒しやすいため、最近は症状の早期から積極的に治療を行うことが推奨されています。治療は上の病期に合わせて変えていきます。

①炎症期:この時期は無理に動かすと更に炎症が増悪するため安静が大事ですが、早期に治療介入していくためには関節内注射による抗炎症を行い、疼痛を抑えます。

②拘縮期:疼痛を再燃させないように注意しながら、理学療法士による運動療法を行います。合わせて関節外注射(ハイドロリリース)・関節内注射(joint distension)による治療を行います。それでも改善困難な方にはサイレントマニピュレーションを行います。サイレントマニピュレーションとは神経ブロックによる麻酔をかけた状態で徒手的に関節包を切っていく処置です。詳しくはhttps://www.tsutsuiseikeigeka-clinic.com/silent-manipulation/

サイレントマニピュレーション
サイレントマニピュレーション

③回復期:運動療法を行うことで積極的に可動域改善を目指します。

以上簡単にではありますが、まとめてみました。患者様の多くが、来院されたときには発症してから数カ月経過しており、やはり四十肩だろうと思っていずれ治ると放っておいたと言われます。確かに治る方もおられるのでしょうが痛みが強い時期は寝るのも辛かったと思います。疼痛を減らす方法はあるため我慢せずに近医にご相談されることをお勧めします。