胸郭出口症候群
2021.09.09
こんにちは、院長の筒井です。
今回は胸郭出口症候群について、院内でも勉強会をしたので簡単にですがまとめてみました。
胸郭出口症候群とは、首から肩、上肢に向かって伸びていく神経や血管が圧迫されたり、引っ張られることで起こる様々な症状のことです。症状としては首や肩甲骨周りに痛みが生じたり、上肢のしびれ、握力の低下などがあります。
原因は首から上肢にかけての神経や血管の通り道の中で狭い部分(生理的狭窄部位)があるためといわれています。そこで神経や血管が挟まることで症状が出現します。ほとんどが神経性のものといわれています。
狭い部分は主には3ヵ所あり、上の図の①前斜角筋と中斜角筋の間②鎖骨と第1肋骨の間③小胸筋の後方の間です。これらをレントゲンやMRIなどの画像で診断することは困難であり、症状や理学所見などで診断していきます。
治療は薬物療法や手術療法などもありますが、まずは運動療法による保存的加療が大事です。この疾患の原因としては元々狭い神経の通り道がさらに姿勢の悪さだったり、それによって凝り固まった筋肉のせいでより狭くなってしまったことにあります。運動療法を行うことで、筋肉をほぐしたり、神経の圧迫を解除出来れば症状が緩和していきます。運動療法のみで改善しにくい場合は、筋肉や神経周囲にハイドロリリースといわれる注射による治療を当院では行うこともあります。
病名自体が症候群と名付けられているだけにまだまだ完全に解明されきってはいない疾患です。そのため治療が難渋することもありますし、画像で示すことが出来ないため見逃されることも多い疾患です。私自身、日々の診療を丁寧に行い見逃さないこと、そして日々知識をアップデートしていきこの疾患で苦しまれている方を治療できるように努力していきます。
気になる症状などがあればいつでもお気軽にご相談ください。